紅蓮の星屑
彼は無言のまま、男の隣に座り、怪しいと言う視線を向ける。
視線を向けられた男は、どこか見定めるように彼を観察してから口を開いた。
「そんなに警戒をしなくてもいい。私は政府の人間だ。」
政府の人間と聞かされ、いくらか警戒を緩める。
しかし、特殊な状況で連れ戻された彼は不安を募らせていた。
「あんたは本当に政府の人間なのか? いや、政府の人間じゃなくてもいい……。これから俺はどうなるんだ?」
深刻な表情で彼が質問すると、男は笑う。
「ハハハ、政府の人間と言ったのは本当だ。それと、どうなるのかは君次第だな。これからいくつか質問をする、それに答えて貰えないかね?」
『君次第』と言われ、眉を潜めるが、選択の余地はないと判断したようだ。
彼は、静かに頷いた。
「良い判断だ。では早速質問をする、君は……あの森で何をするつもりだったのかな?」
質問の内容に一瞬言葉を詰まらせる。しかし彼はためらいながらも、それに答えた。
「……自殺だ。」
男は無表情のまま、横に置いてあるパソコンに手を伸ばす。
「成る程。」
それから、男は膝の上に置いたパソコンを開き、質問を重ねた。