紅蓮の星屑

「次に、名前、年齢、住所、それと君の連絡先を聞かせて貰えるかね?」


「名前は……石川道明<イシカワ・ミチアキ>。歳は27だ。と言うか、自殺って聞いても驚かないんだな。」


言われて、男は口元を緩める。


「大体の予想は出来ていた。この時間帯に森をうろつく人間など、犯罪者か自殺志願者ぐらいだろう……。それより、質問の続きを答えて貰えないかな?」


しれっと答える男の様子に不快感を感じつつも、彼は質問に答えて行った。


そして一通り質問を聞き終えた男は、パソコンの手を止めて彼に説明を始めたのである。


「まず、誤解の無いように説明をするが、君の自害を止めるつもりはこちらには一切無い。」


「なっ!?」


男は彼の言葉を遮るように話を続ける。


「道明君。君の捨てるその命を国の為に使って貰えないだろうか?」


意表を付く問い掛けに驚きを見せる。


しかし彼は、真面目な表情でそれに答えた。


「戦争にでも、行けってことか?」



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