ツンデレ★王子
「だから愛里ちゃんみたいな、気の許せる人ができてとても嬉しいの」

「そんなあたしなんて…」

「春のこと、いつまでもよろしくお願いしますね」


そっとあたしの手を握る。

あぁ、お母さんっていうのはこういうものなんだ…

そう思った。

あたしも先輩のお母さんみたいに愛されていたのかな…


「…ん?なんか焦げ臭くないですか?」

「あー!また私ったら!」


あ、そうだった…

先輩のお母さん、料理下手なんだっけ。


「お母さん、まず火を消しましょう」


それから台所は笑いが絶えることはなかった。
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