ツンデレ★王子
「そうだ、さっき今年初めていちごが採れたとこなんじゃよ」


そう言って手に乗せて差し出す。

そこには丸々と熟したおいしそうないちごが。


「これを届けてくれんか?」

「届ける…?」


おじいちゃんがうなずく。

どうやらどうしてもあたしを行かせたいみたい。

あたしはどうしたい…?


「…ありがと、おじいちゃん」


いちごを受け取ってすぐに走り出した。


「…あ!」


数メートル先で振り返る。


「もう一本当たったからあげる!」


あたしは笑顔で缶ジュースを投げ渡し、また走り出した。
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