ツンデレ★王子
「あの…」


トラックに乗り込み、無言の時間が続いた。


「アイツが好きなのか」


突然の質問。

両手で握られた赤いいちごを見ながら答える。


「…好き」

「そうか…」


そう言うといきなりハンドルを回した。

確かこの道順は…


「もしかしてお父さん…!」


隣りを向くとかすかに笑うお父さんの顔が見えた。

あたしは前に向き直し、同じように笑った。
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