出会ってしまったから



「なあ紅茶でいい?オレンジジュースが無くてさ」



「え、あっうん」



私はその衝動でダイヤのイヤリングを鞄にしまった



先生がこのイヤリングに気づくのが嫌だった



そんな所見たくなかった



彼女のと思って拾う所を見たくなかった



絶対に見たくなかった



その時、先生は私の前に紅茶を置いた


「紅茶砂糖いる?」



「いらない」



罪悪感が襲いながらも返事をした



こんなの持っていても私が苦しむだけなのに



それにバレた日には先生には嫌われるだろうな



私のこと嫌うだろうな・・・・



先生は座る位置を変え、私の隣に来た



「えっ」



「ダメ?」



「ううん、全然」



近いよ、足とか当たりそう・・・



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