出会ってしまったから




もう時計は5時を回っていた



テニス部の人たちも皆、帰って行った。



その時・・・先生が私を見た様な気がした



上を向いて私を見られた様な・・・



私は反動か・・・窓から離れた



先輩から離れた



「幸?」



「先輩、帰らなくてもいいんですか?」



「一緒に帰ろうよ」



「え・・・」



先輩と帰ってしまおうかとも頭に過った



けど、それはどうしても出来ない




やっぱり無理だよ・・・



私・・・もう先輩のこと全然好きじゃない




「冗談だって!」



「あっなんだ・・・」



「じゃあな」




後姿で手を振る先輩の姿はとても悲しそうに見えた




そんな姿を私がさせてるんだ・・・・







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