出会ってしまったから




「ただいまー」



家に着くとお兄ちゃんが真っ先に言った



「あら、一緒?」


お母さんがエプロン姿で言った



「ああ、幸が先生の手伝いしてたんだってさ」



「へえ幸がね・・・」



「何よ、しちゃいけないっていうの?」



そう、私は家の手伝いも自分の部屋さえ片づけない



家族はありえないって皆思うだろうね



「珍しい・・・今日雨でも降るんじゃないのかしら」



「失礼なっ」



「やっぱお前先生に・・・」



その先は言うなー



私はお兄ちゃんの口を手で塞いだ



「お兄ちゃん、ちょっと来てねー」



「おまえ・・・な」



私はお兄ちゃんの部屋に入り、手を離した


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