出会ってしまったから



「お前何すんだよっ」



「お兄ちゃんが変な事言いそうだからでしょー」



「図星か?」



「だからそんな訳ないでしょ!もうあんな事言うのやめて」



「意識してんのがそもそもおかしいんだよ、本当のこと言ってみろよ?好きなんだろ?」



私は誰にも言わない



お兄ちゃんには絶対にバレる訳にはいかない



「あのさ、私の好きな人は先輩にいるから」



「ならいいんだ、先生はやめとけよ?傷つくだけだ」



「分かってるわよ」



私は勢いよくお兄ちゃんの部屋の扉を閉めた



立っていられなかった



力がどんどん抜けて床に座りこんだ



ずっと我慢していた涙が溢れた


泣き声が出そうな時私は自分の部屋に走って入った



布団をかぶり



これなら遠慮なく泣ける、聞こえないから



傷つくだけ・・・



お兄ちゃんに何が分かるのよ・・・
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