自己チューなアラサー転勤族主婦の妊娠日記
10月27日(土)

 夫のお母さん、つまりお義母さんからメールが届いた。

 
 アンコールワットから帰った時、私が体調を崩したと夫が伝えていて、心配のメールだった。


「少し疲れが溜まっているみたいですが、大丈夫です♪」と嘘をついてしまった。



 夫の実家も東北。お義母さんとは、時々メールや電話のやりとりをしている。

 私は長男の嫁。東北の田舎はそういうことに煩い人が多い。



 そんな中で、お義母さんは私のことをいつもさりげなく庇ってくれる。

 誕生日には、私のためにプレゼントを送ってくれる。

 大晦日と正月は、夫のご両親が温泉旅館に連れて行ってくれる。




 ご両親は、「そろそろ子供は?」なんて一言も言わない。本当は期待しているし、孫が欲しいと思っているに違いない。私のことを考えてくれているのだ。



 お義母さんは、何もできない私を「いいお嫁さん」と受け入れてくれる。


 それなのに、中絶なんてしたら顔向けできない。

 恩を仇で返すことになる。





 でも、大阪で子育てすると思うと、重圧に押しつぶされそうになる。




 どうしたらよいのかわからない。



 時間がない。


 苦しい。








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