自己チューなアラサー転勤族主婦の妊娠日記
2月28日(木)

 朝6時50分起床。寝坊だ。

 すぐにコーヒーを淹れて、夫を起こす。



 寝坊すると、便秘になる。


 昨日あんなに食べているのに、きつい。



 トマト寒天を食べて、早速朝の運動を始めた。

 体が死ぬほど重い。

 全身むくんでいて痛い。特にふくらはぎ。むくみが出ると、サロンパスまけして赤く腫れている部分に痒みがでる。

 思わず掻きむしり、もっと腫れて後悔した。

 エアサロンパスを噴霧すると、冷却作用でマシになった。


 疲れが溜まっている。

 アルコールのせいでむくみも酷い。



 なんとか体を騙し騙し、運動を続けた。





 お腹がすいたので、キャベツサラダをポン酢で食べた。



 今日は昨日の過剰摂取分、カロリーを抑えなければ。

 力が出ない状態で、なんとか夫が帰ってくるまでの間、生クリーム大福とキャベツで凌いだ。


 途中、酷い眠気に襲われ、30~40分の仮眠を2回繰り返した。


 夫帰宅。抹茶生クリームどら焼き(223kcal)を食べる。

 まだ運動メニューが終わっていない。


 でも、ふくらはぎが腫れて痛い。

「ちょっと揉んであげるから、それから運動したら?」と夫。


 揉んでもらう。

 痛気持ちいい。逆に気力がそがれそうだ。



 頑張れと自分を励まし、何とかやり遂げる。


「飲みたそうだったから、グリーンラベル1本ずつだけ買ってきた」と夫。

「まだご飯先だから、これ飲もう」



 そんなことを言われれば……




 飲んでしまう。



 しかも。




 夜ご飯にありつけたのは、午後10時。


 空腹過ぎて、カレーを丼3杯も食べてしまった。ここに来てのドカ食い。






 体重測定。



 200gの増量。





 精神崩壊。



 お風呂の中で泣く。



 もう嫌だとまた思う。



 ネガティブ思想になる。






 一体何のために、私はこんなに苦しい思いをしなければならないのだろう。



 苦しみの先に、夢や希望があるなら頑張れもする。



 世の中の妊婦さんたちの希望は「生まれてくる赤ちゃんに会いたい」という気持ち。



 でも、


 私にとって、そんなのどうでもいい。


 それよりも、早くこの妊娠を終わらせて、元の暮らしに戻りたいと願っている。


 週に3回、居酒屋で浴びるほどビールを飲んで、ジャンクなつまみをいっぱい食べて笑いたい。



 なのに。



 きっと子供が生まれたら、それもできない。

 世話に追われる日々。子供が好きでもないのに?



 小説家になる夢も遠のく。

 もちろん、才能も関係するし、別に子供がいなくてもなれるかどうかは五分五分だけど。


 子供を作るのは小説家になって、金銭的に余裕が出てからと思っていたのに。

 まだ何一つ、成果が出ていないのに。

 このままの状態じゃ、ただの主婦になって、生活に追われて、歳をとっていくだけだ。



 未来に希望がないのに、過剰な食欲と太りやすい身体がつきまとう。


 毎日苦しい。昨日はピザを食べている夢まで見た。



 私は一体、何をモチベーションにすればいいのだろう。


 両親の喜ぶ顔?

 親孝行にもなるし、夫のご両親は家を改装して子供部屋まで作ろうとしている。喜んでくれたのを見ると、良かったなと思う。


 でも。



 それだけで乗り越えられるほど、楽じゃない。


 生まれるまでも苦しくて、生まれた後を考えると、金銭的な不安に襲われ怖くなる。




 結婚して子供を作ることが女の幸せ、なんて言うけれど、とてもそうは思えない。


 海外旅行は、この先何年もいけない。

 やりたいことも我慢しなきゃならない。

 子供のためにバランスの良い食事と規則正しい生活をしなきゃならない。

 子供のために、オシャレを我慢して節約しなきゃならない。



 そうこうしているうちに、ただのおばさんになって、気がつけば人生の大部分が過ぎている。



 結婚して子供を作ることが女の幸せ



 今の女性には、沢山の選択肢と娯楽がある。


 そんなの時代錯誤もいいところだ。

 なのに、日本では未だその風潮が根強い。特に50代くらいの親戚のおばさんたち。
 彼女たちが結婚や子供を強要するのは、本気で自分たちが幸せだったからだろうか?

 もっと異なる「何か」を含んでいる気がしてならない。




 イライラするので、早く寝ようと思った。













 






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