自己チューなアラサー転勤族主婦の妊娠日記
3月28日(木)

 午前3時半。

 足がつって、目が覚める。そのまま寝付けなくなった。

 お腹が無性に空いていて、目をつぶると食べ物のことばかり頭に浮かぶ。


 午前4時20分 仕方なく起床。

 ミルクティーを淹れ、パソコンに向かう。

 空腹を紛らわすため、大満足ゼロカロリーデザートを食べた。


 快腸。

 午前6時30分 入浴。

 入浴前の体重測定 45.5kg

 入浴後、45.1kg


 今日は妊婦健診の日。

 いつもの検査に加えて血液検査があるらしい。
 


 コンビニのケーキ(350kcal)を夫と半分個して、産婦人科へ向かう。


「健診終わったら、コメダ珈琲行こうね」と夫。

 今日は有休を取ってくれた。

 健診の後は、本町にあるコメダでシロノワールを食べる予定。

 楽しみだ。

 名古屋ではミニシロノワールにしたけれど、今回は普通サイズを食べよう。

 梅田から本町までは徒歩、お腹をいっぱい空かせよう。




 午前9時。

 受付を済ませ、尿検査と血圧、体重を測る。



 洋服込みの体重測定

 45.6kg
 

 前回の妊婦健診では46.2kgだった。

 ちょっと減りすぎたかも。体重が減って怒られたりするのだろうか?

 でも、この体重なら気兼ねなくシロノワールが食べられる。



 ところが……




「これを全部飲んでください」


 渡されたのは、200mlくらいの小ビンに入った透明な炭酸系飲料。


 一定時間後の血中の糖分濃度を調べるため。


 とりあえず、一口。



「!!」


 半端なく甘い!! 三ツ矢サイダーの10倍は甘い!

 頭がクラクラする。

 全て飲み終えると、かなりお腹がいっぱいになってしまった。



 シロノワールのためのお腹が……

 ため息が出る。




 内診を終え、超音波検査。


「お腹、張ってますね。苦しいでしょう」


「??」


 何を言われているのかわからなかった。

 先生が、お腹を押す。

「今、このパンとボールみたいに突っ張った感じが、お腹の張りなんです」



 全然、気がつかなかった。


 たまに、お腹が大きくなるなとは思っていた。

 食べ過ぎかな? くらいにしか思ってなかった。





 マタニティヨガの時、7~8ヶ月以降の妊婦さんたちが

「お腹が張って苦しい」「お腹の張りが頻繁に起こってかなり辛い」
 
 と、深刻そうだったから、お腹が張る現象をすごく恐れていた。



 そういえば、昔から私は痛みに鈍感だった。


 
 夫と共に超音波で中の人(胎児)を観察する。


「4Dでお顔を見せたいんですが、手で隠しちゃってますね」


 先生が手をどかそうとお腹を押したり、私の体制を変えたりしたけれど、中の人は頑なに手をどけない。

 結局、断念。


 中の人の体重は、1320g

「順調です」



 私の体重については、何も言われなかった。



 注意されたのは、バースプラン



「会陰切開絶対にしたくないと言われても、初産ではどうしても切らなきゃならないことの方が多いんですよ」

「絶対じゃなく、できるだけ、の方向でいいですか?」


 嫌だとは言えない。「はい」と答えた。



 血液検査も終わり、会計へ。

 会陰切開のせいで、すっかり気分が沈んでしまった。






「9800円になります」


「!!」


 9800円??


 なんで病院で苦痛を味わって、1万近くも支払わなければならないのだろう。

 そりゃあ、駆け込み出産する人も沢山出るよ!


 この状況で、少子化対策とか豪語する政治家が腹立たしい。





 家に戻って小休止後、気分を変えて、楽しみにしていたコメダ珈琲へ。



 注文はもちろんシロノワール!


 でも。


 サンドイッチやハンバーガーも美味しそう。


「シロノワールの他に味噌カツバーガーを一個頼んで、二人で分けよう」と夫。




 料理が運ばれてくる。


 まずはシロノワール!

 これが美味しいことは、名古屋で実証済み。



 そして……


「味噌カツバーガーです」



 でら大きい!!


 横長のバーガーが3つに切られている。

 1切れでコンビニのハンバーガー1個くらいの大きさ。

 750円でちょっと高めだなと思っていたけれど、このボリュームなら納得だ。


「メニューで想像したより、大きかったのは初めてだ」と夫もびっくり。

 私は1切れ、夫は2切れ食べた。


 かなりお腹いっぱい。満腹で幸せだ。






 腹ごなしに梅田まで歩き、ウィンドウショッピングをした後は、岡町の鳥貴族に行った。


 淡麗の大ジョッキで乾杯する。


 こんなむちゃくちゃな私の体内で、中の人(胎児)は順調に育っている。


「オレらの子供として生まれてくるなら、それくらいの強さがないと」と夫。




 図らずしも、体内でカンボジアの朝日を浴び、堕ろす堕ろさないの危機を乗り越え、過酷なダイエットの中で栄養を摂取し、定期的に流れ込むアルコールにも耐えている中の人。


「でも、シャイだよね」


 二人で笑った。



 一体、どんな顔をしていて、どんな子供になるのだろうか。



 少しだけ、楽しみかもしれない。
























 




 


 
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