自己チューなアラサー転勤族主婦の妊娠日記
10月31日(水)


 夫が仕事を休んでくれたので、二人で母子手帳を貰いに行った。


 手続きの時、簡単なアンケートを記入した。




『今回の妊娠について』


(望んでいた ・ どちらでもない ・ 望んでいなかった)




 世間体や人の目が気になって、いいことを書こうかと考えたけれど、やっぱり正直に『望んでいなかった』に丸をつけた。



 子育てについても『不安』に丸を付けた。



 担当の女性にアンケートを渡す。



「妊娠は望まれていなかったんですね。もう少し、お二人の生活を続けたかったのかな?」


「夫の転勤でこちらに来ていて、実家は東北で知り合いが一人もいないんです。それに、またいつ転勤になるかもわからないんです」


「そうなんですね。それはとても不安ですよね」


 担当の女性が何度も頷いてくれて、涙が出そうになった。



 その後、母子手帳や子供の予防接種の説明を聞いて「おめでとうございます」と母子手帳を渡された。


 やっぱり、妊娠は普通の人にとって「めでたい」ことなのだと思った。


 子宝とも言うけれど、私もいつか、本当に心から喜べる日が来るのだろうか。






 とても、そうは思えない。













 
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