自己チューなアラサー転勤族主婦の妊娠日記
5月4日(土)~早朝 たらの芽採取~

 朝5時起床。

 夫がお風呂を洗って、沸かしてくれる。
 昨日、田沢湖からの帰りにドラッグストアに寄ったとき、発汗しそうな入浴剤も数種類買ってくれた。

 結婚7年目。付き合い始めてから12年目。

 人より喧嘩も多いけど、その分、ずっと仲も良い。

 よく、カップルか、新婚に間違われる。



 二人で出かけたり、お酒を飲んだりするのが楽しかったから、子どもは別にいらないと思ってきた。

 子どもが出来たら、ただの家族になってしまって、自分の人生なんか終わっちゃうと思っていた。

 夫とも熟年夫婦みたいになるんだろうなと。



 でも、妊娠して、いろいろあって、夫の気遣いに感謝する日々。

 前より確実に絆が深まった。

 

 子どもを育てながらでも、カップルや新婚にしか見えない夫婦になればいい。

 目指せ、オルタナティブ夫婦!



 爆汗シリーズを入れて入浴中、そんなことを考えた。


 便秘はあまり解消されなかったけれど、朝からじっくりと入浴できて前向きな私。



 午前6時半。

 父、夫、私で、男鹿半島の山にたらの芽を採りに行く。



 早朝の山は清清しい。

 たらの芽は、地元の人々に採られまくりで、高い枝の上にしかついていなかった。


 父と夫が二人がかりで採取。

「あれ、いいね~」
「本当だ! あ、こっちにもありますよ」
「おお~、それもいいね」


 どんどこ山の奥へと行ってしまった。


 二人は、性格が似ている。


 まだ付き合いたての大学生の頃、私が夫のアパートに入り浸るようになったため、父と険悪になった時期があった。

 仲を取り持ってくれたのは母だった。


 おかげで今がある。

 母にも感謝しよう。




 などと、前向きに思う。

 早起きは三文の徳。

 ネガティブ思考の人に、早朝の空気は三文以上の得がある。


「暑い!」

 夫と父が戻ってくる。大きめの買い物袋いっぱいに、たらの芽が詰まっていた。

「すごいでしょ」と夫。


 カブトムシを捕まえて喜ぶ小学生とか、そんな感じだ。




「そろそろ戻らないと、Y(夫)君のご両親が来ちゃうな」と父。

 なんだかんだで一時間近く熱中していた。


 今日は青森から、夫のご両親がはるばるご挨拶に来てくれる。

 午前10時半頃に到着する予定。

 その後、夫と4人でベビー用品を買いに行き、夕飯を私の家で一緒に食べる算段。

 たらの芽のてんぷらは、その際に出す。



 午前8時半。

 帰宅。


 母がスポンジケーキを焼いていた。


 身支度を整え、手伝いに回る。



 両家が顔を合わせたのは、これまでに2,3回程度。

 一緒に食事をするのは初めてだ。




 夫の家と私の家は、かなりタイプが違う。


 私の家は、畑で作物を作ったり、山菜を採ったり、休日は道の駅めぐりをしたりと、田舎のアウトドア(?)派。外食はほとんどしない。


 一方の夫の家は、デパート好きで外食も良くする都会(?)派。
 夫のお父さんは警察官、夫の弟さんはお医者さん。

「たぶん、俺は捨て子だと思う。性格が違うから」と夫は言っている。




 ……ドキドキだ。










 





 

 




 
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