自己チューなアラサー転勤族主婦の妊娠日記
5月5日(日)

 昨日の疲れで起床が遅くなった。

 やっぱり便秘。お風呂にも入ったけれど、あまりすっきりしない。


 大阪と勝手が変わり、まだ身体が馴染めない。

 便秘になったり、水分がうまく抜けなかったりすると、それだけで疲れてしまう。


 お風呂から上がると、夫と父は犬小屋の柵作りを始めていた。

 木材を電ノコで切って、釘でつないで、色を塗る。


 母と妹は、花壇のお手入れ。


 私も犬小屋作りを手伝う。

 雨は降っていないけれど、かなり寒い。


 寒さで気分が悪くなったので、家の中に入り、チャイを作ることにした。


 お茶パックの中に千切りのショウガをいれ、リプトンの紅茶パックと一緒に牛乳で煮出していく。

 砂糖、クローブ、ナツメグ、シナモンで味を調え、出来上がり。


 本当はカルダモンが欲しいところだけど、まあよしとする。

 夫以外、口に合うかどうか怪しかったので、少量に留めておいた。





「寒い」と部屋に入ってきた家族に振舞う。



「おかわり」


 あっという間になくなった。



「もっと作っといてくれれば良かったのに」

 と、文句まで!!




 とにもかくにも、気に入ってもらえたのでよしとする。




 夕飯は、鰻の蒲焼。


 もちろん、私のリクエスト。

 なぜか無性に食べたかった。



 時期ではなかったので、スーパーを何件も回って、やっとみつけたらしい。

 妹は夕方から遊びに出かけていたので、両親が買い物に言っている間、久々に夫と二人っきりになった。


 明日帰ってしまうと思うと、寂しいし、心細い。

「でも、だいぶ家の人もM(私)の妊婦生活に慣れてきたじゃん」


 確かに。


 夜にスイカを食べ続けることも、朝風呂も、階段の上り下りも、何も言わなくなった。


「家の人も、どうやらM(私)が世の9ヶ月の妊婦とは違って、よく動くことも理解してきたんじゃない」



 そうかもしれない。

 でも、一日に数回、いらっとポイントがある。

 これがものすごくストレス。


 夫がいなくなったら、どうやってこのいらっとポイントを回避すればいいのかわからない。


「大阪に一緒に帰りたい」

「あんなに実家好きだったのに、いつの間にそうなったの?」と夫。




 本当に、いつの間にか、実家が居心地悪くなっている。

 夫とは何でも言い合えるのに、家の人とはそうはいかない。

 家の人たちも、私のことを理解しかねている。



 夫は元々、他人だったはずなのに。

 いつの間にか血のつながっている家族よりも、家族になっている。





 夫婦って、不思議だ。



 そして中の人(胎児)は、私と夫、両方の血が混ざっている。


 最初は家族。

 成人すれば私たちから離れて、他の誰かと家族になる。





 なんか、不思議だなと思った。



 きっと、妊娠しなければ気がつかないことだった。








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