自己チューなアラサー転勤族主婦の妊娠日記
5月26日(日)その2

「やばいじゃん!! お父さんたち起こして来るよ」と夫。


 また痛みが治まった。



「待って、もう少し我慢する」



 今病院に行ったら、休日料金の他に深夜料金までかさんでしまう。


「ダメそうになったら言うからY(夫)も寝てて」


 言いながら、自分も横になる。




 午前3時50分


 痛みで眠れず、一人階段を下りて居間へ。

 とりあえず、いつ病院に行っても大丈夫なように着替えや化粧などを始める。


 その間にも痛みが訪れる。


 一旦痛くなると「絶対やばい!!」と思うけれど、痛みは2~3分ですっかり消えてしまう。

 治まると「やっぱり気のせいかもしれない」と考える。


 真っ暗で誰もいないし、痛みが治まると暇になる。

 どうせなら、出産直後の写真写りがいいようにと、ばっちりメイクをした。





 午前5時。夫起床。

「大丈夫?」と階段を下りてくる。すでに着替えている夫。


「まだ寝ててよかったのに」

「いつでも行けるようにオレも準備しなきゃ」と洗面所へ。




 準備を終えて、二人でしばし、こたつでのんびりする。

 その間、また例の痛みが訪れる。




「大丈夫? やばい?? お父さんたち起こす??」と夫。

『ちょっと待って』とジェスチャーする。


 声が出せないくらい痛い。




 2~3分後、ふうと息をつく。

 すっかり治まると、元気になる。



「息ができないくらい痛いけど、それ過ぎると、本当になんともないんだよね。やっぱり陣痛じゃないのかも」と首をかしげる。



「いや、それ、どう考えても陣痛でしょ」と夫。






 その後も2回、痛みが訪れ、痛い時間が5分以上になった。

 ここへきて、さすがの私も「陣痛だ」と思ったりする。



 午前5時50分


 両親起床。




「おっ! やけに早いな。生まれそうか?」

 冗談のつもりの父。




「そう」


「え? 本当にか??」と驚く。



 話の最中に、また痛みがやってくる。

 痛みの長さが7~8分くらい続く。



「病院に電話したの?」と母。

「まだ」と私。


 病院で渡されたプリントには、陣痛の感覚が2~30分に一回で、痛みの長さが5~10分続いたら、緊急連絡先に電話するようにと書かれている。


「そろそろ電話したほうがいいんじゃない?」と夫。


 なんとなく、午前5時より6時以降のほうが料金が安い気がする。


「6時過ぎたら電話する」と私。








 午前6時10分。




 病院の緊急連絡先へ電話をかけた。










 





 
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