自己チューなアラサー転勤族主婦の妊娠日記
5月31日(金) その4
部屋に戻り、夫に電話をかけて、さっきのミルクの件を話した。
電話を終えると、もうお昼。
昼食の間、テレビをつける。
「いいとも」を見ながら食事をすると、なんか、落ち着く。
ご飯を終えたら、搾乳開始。
痛みに耐えながら、懸命に絞る。
なかなか、出ない。
辛い。
「こんにちわ~」
挫折しそうになった時、看護学生さんが入ってきた。
と、もう一人いる。
さっき蓮の応援をしてくれた学生さんだ。
「彼女も一緒にいいですか?」
搾乳している姿は、あんまり人に見せたくない。
でも、イヤとも言いにくい。
「どうぞ」
結局、笑顔で招き入れた。
が、これが思いがけず、楽しい時間になった。
二人共、私の母乳を出すために、色々なことを提案し、試してくれる。
助産師さんの命令的な感じと違って、全然嫌じゃない。
搾乳中も、実習中に起きた面白話で盛り上がる。
「あ! 今のもったいない!!」
「もう少し右かも。よし、入った~」
最終的に、一人がタオルで私の胸を温め、私が両手で胸を絞り、あらぬ方向から垂れる母乳を、もう一人がキャッチする仕組みになった。
胸はもちろん痛いけど、楽しくて、すごく頑張れる。
その甲斐あって、30~40ml入った哺乳瓶が、4本も出来た。
「ミーティング後、また来ますね」
学生さんがいなくなり、蓮の授乳時間。
胸を直接吸わせると、疲れて眠ってしまうので、今日は割愛。
哺乳瓶の母乳を飲ませた後、ミルクにかかる。
…………
一人だと、昨日の吐き戻しを思い出し、無理強い出来ない。
結局、20mlしか飲ませられなかった。
母乳のストックもあるので、学生さんたちが来るまで、仮眠を取った。
「失礼しま~す」
二人が戻ってくる。
なんと、フットバスを持ってきてくれた!
「足のむくみ、温めるといいみたいなので」
アロマオイルまである。
「香り、どれがいいですかね」
3人で、オイルの香りを嗅ぎあって、「うわっ! これ臭い」とか、「匂いの違いが分からなくなってきた」と、笑う。
柑橘系のオイルをチョイスし、ボコボコ泡立つお湯の中に、足をつける。
むくみのせいで、ジガジガと痛みを感じたけれど、すごく気持ち良かった。
フットバスの間、またまた3人で談笑。
学生の頃みたいで、すごく楽しい時間だった。
午後4時半。
そろそろ学生さんたちは、実習が終わる時間。
「気持ち良かったです! 本当にありがとうございました!」
心から感謝。
「S(私の苗字)さんは、明日で退院ですよね」と学生さん。
「そう、やっと退院ですよ~! 蓮の体重が増えていれば、なんですけど」
「私たち、土曜日は実習がないんです。なので、蓮ちゃんが無事退院できれば、今日でお別れです」
「え、そうなんですか?」
「はい、寂しいですけど」
そうなのか。
せっかく、仲良くなれたのに。
寂しいけど、仕方ない。
お別れの時間。
「本当に、二人がいてくれて良かったです! ありがとうございました」
もう一度、お礼を言う。
「こちらこそ」
「あと1日、頑張ってください!」
「今夜は、ミルク飲ませまくります(笑)」
「じゃあね、蓮ちゃん」
「月曜日、蓮ちゃんに会わないことを祈ってます(笑)」
初めて実習生が付くと聞かされた時、死ぬほど嫌だったけど、今はとても感謝している。
彼女たちのおかげで、精神的にとても癒された。
二人は、実習を終えて帰宅前に、もう一度挨拶に来てくれた。
夕食前にシャワーを浴び、家に電話を入れる。
『もしもし』
母の声。
随分と久しぶりな気がして、ちょっと懐かしくなった。
「なんかね、蓮の体重が明日までにあと70g増えないと、退院できなくなるんだって」
『え? そうなの? 大変じゃない!』
「そう。でね、蓮はおっぱいを吸うと疲れてミルクを飲む前に眠っちゃうんだよね。でも、助産師さんは必ずおっぱいを15分吸わせてからって言うんだけど」
『そんなの、テキトウに「やってます」って言っちゃいなさい。家に戻ってからなら、いくらでもあげられるんだから、知らん顔してミルクあげなさい』
母がそんなことを言うなんて、ちょっと意外だった。
「うん。その方がいいよね」
『そうだよ。この前、面会に行ったとき、M(私の名前)が、生真面目に助産師さんの言うこと聞いてたから、心配してたんだよ。もっと容量良くやらないと』
「うん。だから、今日はラストスパートで、ミルクあげまくろうと思ってる」
『そうしなさい。助産師さんには「ちゃんとやってます」って言っとけばいいんだから。とにかく退院しちゃえば、あとはこっちのもので、家ならどうにだって育児は出来るから』
ちょっと、泣きそう。
「そうだよね。だから、今日は面会は辞めておく。明日迎えに来て」
『分かった。頑張んなさい』
電話を切る。
少し、重荷が取れた気がした。
テレビをつけて、夕食を食べ、夫が残してくれたおやつも食べる。
ここからが、正念場。
頑張ろう。
部屋に戻り、夫に電話をかけて、さっきのミルクの件を話した。
電話を終えると、もうお昼。
昼食の間、テレビをつける。
「いいとも」を見ながら食事をすると、なんか、落ち着く。
ご飯を終えたら、搾乳開始。
痛みに耐えながら、懸命に絞る。
なかなか、出ない。
辛い。
「こんにちわ~」
挫折しそうになった時、看護学生さんが入ってきた。
と、もう一人いる。
さっき蓮の応援をしてくれた学生さんだ。
「彼女も一緒にいいですか?」
搾乳している姿は、あんまり人に見せたくない。
でも、イヤとも言いにくい。
「どうぞ」
結局、笑顔で招き入れた。
が、これが思いがけず、楽しい時間になった。
二人共、私の母乳を出すために、色々なことを提案し、試してくれる。
助産師さんの命令的な感じと違って、全然嫌じゃない。
搾乳中も、実習中に起きた面白話で盛り上がる。
「あ! 今のもったいない!!」
「もう少し右かも。よし、入った~」
最終的に、一人がタオルで私の胸を温め、私が両手で胸を絞り、あらぬ方向から垂れる母乳を、もう一人がキャッチする仕組みになった。
胸はもちろん痛いけど、楽しくて、すごく頑張れる。
その甲斐あって、30~40ml入った哺乳瓶が、4本も出来た。
「ミーティング後、また来ますね」
学生さんがいなくなり、蓮の授乳時間。
胸を直接吸わせると、疲れて眠ってしまうので、今日は割愛。
哺乳瓶の母乳を飲ませた後、ミルクにかかる。
…………
一人だと、昨日の吐き戻しを思い出し、無理強い出来ない。
結局、20mlしか飲ませられなかった。
母乳のストックもあるので、学生さんたちが来るまで、仮眠を取った。
「失礼しま~す」
二人が戻ってくる。
なんと、フットバスを持ってきてくれた!
「足のむくみ、温めるといいみたいなので」
アロマオイルまである。
「香り、どれがいいですかね」
3人で、オイルの香りを嗅ぎあって、「うわっ! これ臭い」とか、「匂いの違いが分からなくなってきた」と、笑う。
柑橘系のオイルをチョイスし、ボコボコ泡立つお湯の中に、足をつける。
むくみのせいで、ジガジガと痛みを感じたけれど、すごく気持ち良かった。
フットバスの間、またまた3人で談笑。
学生の頃みたいで、すごく楽しい時間だった。
午後4時半。
そろそろ学生さんたちは、実習が終わる時間。
「気持ち良かったです! 本当にありがとうございました!」
心から感謝。
「S(私の苗字)さんは、明日で退院ですよね」と学生さん。
「そう、やっと退院ですよ~! 蓮の体重が増えていれば、なんですけど」
「私たち、土曜日は実習がないんです。なので、蓮ちゃんが無事退院できれば、今日でお別れです」
「え、そうなんですか?」
「はい、寂しいですけど」
そうなのか。
せっかく、仲良くなれたのに。
寂しいけど、仕方ない。
お別れの時間。
「本当に、二人がいてくれて良かったです! ありがとうございました」
もう一度、お礼を言う。
「こちらこそ」
「あと1日、頑張ってください!」
「今夜は、ミルク飲ませまくります(笑)」
「じゃあね、蓮ちゃん」
「月曜日、蓮ちゃんに会わないことを祈ってます(笑)」
初めて実習生が付くと聞かされた時、死ぬほど嫌だったけど、今はとても感謝している。
彼女たちのおかげで、精神的にとても癒された。
二人は、実習を終えて帰宅前に、もう一度挨拶に来てくれた。
夕食前にシャワーを浴び、家に電話を入れる。
『もしもし』
母の声。
随分と久しぶりな気がして、ちょっと懐かしくなった。
「なんかね、蓮の体重が明日までにあと70g増えないと、退院できなくなるんだって」
『え? そうなの? 大変じゃない!』
「そう。でね、蓮はおっぱいを吸うと疲れてミルクを飲む前に眠っちゃうんだよね。でも、助産師さんは必ずおっぱいを15分吸わせてからって言うんだけど」
『そんなの、テキトウに「やってます」って言っちゃいなさい。家に戻ってからなら、いくらでもあげられるんだから、知らん顔してミルクあげなさい』
母がそんなことを言うなんて、ちょっと意外だった。
「うん。その方がいいよね」
『そうだよ。この前、面会に行ったとき、M(私の名前)が、生真面目に助産師さんの言うこと聞いてたから、心配してたんだよ。もっと容量良くやらないと』
「うん。だから、今日はラストスパートで、ミルクあげまくろうと思ってる」
『そうしなさい。助産師さんには「ちゃんとやってます」って言っとけばいいんだから。とにかく退院しちゃえば、あとはこっちのもので、家ならどうにだって育児は出来るから』
ちょっと、泣きそう。
「そうだよね。だから、今日は面会は辞めておく。明日迎えに来て」
『分かった。頑張んなさい』
電話を切る。
少し、重荷が取れた気がした。
テレビをつけて、夕食を食べ、夫が残してくれたおやつも食べる。
ここからが、正念場。
頑張ろう。