自己チューなアラサー転勤族主婦の妊娠日記
11月22日(木)

 昨夜、また気分が落ちて、未だ続いている。



 5年前、夫の転勤で大阪にやって来て、知り合いも誰もいなくて、何もすることがなく、毎日が一人ぼっちで、よく泣いていたことを思い出す。


 イベントコンパニオンのアルバイトを見つけ、自分のペースで仕事を入れられるようになって、一年かけて、やっと大阪に馴染んだ。


 生活のペースがある程度整った頃、私に夢が出来た。


 独学ではダメだと、通信講座も始めた。講座が終了したのは今年の9月。


 絶対に夢を叶えようと、頑張っている最中の妊娠。




 まだ何一つ達成できていないのに。


 正社員でバリバリ仕事をしているわけでもなく、夢は夢のまま。


 つわりで集中できない日々。


 年に一回海外旅行をしようと、去年取得した十年有効の赤いパスポートも無駄になる。


 このまま子供が生まれて、子供中心の生活に流されて、気が付けば私は、何一つ誇れる物がないまま終わってしまうのではないか。

 怖くなる。




 夕方、友人Sに「せっかく大阪に来てくれることだし、京都の紅葉とか見に行こう」とメールをした。友人Sも喜んでくれた。



「安産祈願もしよう」の返信に、気が重くなった。


「ごめん、まだそこまで気持ちの整理がついてないんだ。なので子宝とか安産祈願的な神社はパスで」と思わず返してしまった。


 せっかく友人Sが、私を気遣ってくれたのに。


 どうして私は、こんなにも自分勝手で子供なのだろう。

 前向きになれない自分が嫌になる。



















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