自己チューなアラサー転勤族主婦の妊娠日記
12月5日(水)


 少子化を食い止めるために、安心して子育てができる環境を作ると政治家は言う。

 その具体策が、小額の子育て手当だったり、幼児教育の無償化だったり、もしくはいじめ問題の解決だったりする。


 でも、それで本当に少子化に歯止めをかけられるのだろうか?



 子供が欲しい女性は、多少金銭的に苦しくても子供のためにと節約をして子供を産んで育てている。


 お金がないから育てられない。と諦める人は少ないのではないのだろうか?



 私の周りにいる、子供を産む気のない女性たちは、別に経済的な理由で子供を諦めているわけではない。


 子供を生むと、今までの自由が損なわれる。それが嫌なのだ。


 就職をして、そこそこの年齢になるとやっと、少し余裕が出来てくる。


 そうなってからが、自分の人生。

 自分へのご褒美に、海外旅行へ行ったり、可愛い服を買ったり、ちょっとリッチなお店で外食したり、自分磨きに習い事を始めたり、現代の一般女性には沢山の娯楽や自由が待っている。

 金持ちでなくても、普通に働いていれば掴める幸せ。



 だけど、日本のシステムでは、子供が生まれてしまうとそれらの事が一切できなくなる。よっぽどの大金持ちでなければ難しくなるのだ。


 子供ができたら、自分のためのお金や時間を我慢して、基本子育ては母親がするもの。そんな考えが根強い。


 だから、保育園での預かりは、やむを得ない事情がなければ難しい。基本的には母親が毎日育てろという環境。


 欧米のように、ベビーシッターを雇ったりして、母親が自由に過ごせるような国ではない。


 子供が出来たら、母親は人生を捨てなければならないなんておかしい。


 そんな考えだから、現代の女性は子供を産まないのではないだろうか?



 窓の外でやかましい選挙カーにため息が出る。








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