自己チューなアラサー転勤族主婦の妊娠日記
12月26日(水)

 明日は妊婦検診。

 ずっと考えないようにしていたけれど、夜になると否応なしに思い出し、暗い気持ちになる。

 もう検診に行きたくない。なのに行かなければならない。

 しかも今日は夫が夜勤の日。大阪で一人残されていると心が潰れそうになる。



 最近、高校無償化に所得制限700万円を設ける方針を自民党が発表した。

 つまり、700万円をギリギリ超えた家庭は、高校が無償化にならない。


 公立高校の3年間の費用は、約150万円らしい。

 所得が701万円の家庭は、所得が551万円の家庭と同じ生活水準になるということだ。


 日本は資本主義社会のはずなのに、それはおかしい。

 所得701万円あるのは、その人が就職の際、それなりに努力をしたからだ。

 もちろん所得551万円の人が努力をしていないわけではないだろう。

 だけど、この国が資本主義社会であるならば、所得制限を設けるのは絶対におかしい。

 それじゃ、社会主義国家だと憤る。


 つまりこの国は、上流階級の人たちにとっては資本主義社会だけど、私たちのような中流階級の人たちは、社会主義社会なのだ。

 中流階級は、子供を産んだら贅沢をしてはいけないと言っているようなものだ。



 そんなんで、少子化が食い止められると本気で思っているのだろうか。


 イライラする。




 日本で子供を作るということは、必然的に貧乏になるということなのだ。


 基本的人権云々で所得制限を儲けるのであれば、女性の堕胎に対して倫理観だのなんだのとケチをつけず、堕胎の自由も広く認めるべきだ。


 女性にとって、子供のせいでオシャレにお金をかけられなくなるのは、人間らしい生活の保証の侵害だと思う。



 今日も体重が増えていた。


 私はもうすぐ、女じゃなくなるに違いない。








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