自己チューなアラサー転勤族主婦の妊娠日記
2013年1月1日(火)秋田編

 18時57分、秋田駅到着。やっぱり頭痛は治らない。

 中央改札を出ると、父と母が揃って迎えに来ていた。簡単に挨拶を済まし、車で実家へ向かう。


 かなり久しぶりの実家。私の住んでいる地域はあまり雪が積もらないのだけれど、今年はかなりの積雪量で畑も真っ白だった。

 玄関を潜る前に、飼い犬のクッキーに挨拶をした。

「クッキー」と呼ぶと、犬小屋からのっそり起き上がり「クイーン」と近くまでやって来た。私が高校二年生の頃に生後2週間で我が家の仲間入りを果たしたクッキー君は、いつの間にかヒゲも顔周辺も真っ白のおじいちゃん犬になってしまった。

 気がつけば、私だって31歳。もういい大人だ。

 母も父も還暦間近になっている。



 ついこの間まで、20歳そこそこだったはずなのに。

 精神年齢だけが追いつかず、身体はいつしか老いていく。



 父、母、姉、私、妹の5人家族だったこの家も、姉と私が結婚し、今は父と母と妹の三人暮らしだ。

 妹は12月の後半から友達とタイ旅行に行っていて、2日に戻るらしい。


「Mが酒はいらないって言ったから、今年はビールも日本酒も用意してないよ」と父が念を押す。


 私も夫も、毎年年始に帰る度、凄まじい勢いでビールを飲んでいた。そのためウチの両親は、私たちの帰省の際には、ビールを箱買いして待っていてくれていたのだ。

 今年は「夫がフルマラソン走るために禁酒を始めて、そのまま継続しているからいらない」と電話で母に言っていた。


 あらかじめリクエストしておいた、母お手製の雑煮や煮物が食卓に並び、お茶で乾杯をする。



 夫が私に目配せし、私も頷き返す。



「ええと、報告がありまして」


「おお」と父。

「実はM(私)がご懐妊のようです」











『へえ~~~』


「じゃあ、お米送ろうかって聞いたときに、M(私)が知り合いからもらったからいらないって言ってたけど、食べれなかっただけか」と母。

「そう」

「それはめでたいねぇ。やっぱり、酒で乾杯した方がいいんじゃないか?」と父。

 そういえば、弟さんから日本酒を頂いていたのを思い出し、「今日だけ解禁にしてもいいよ」と夫に言った。


 私以外がおちょこに日本酒を入れ、改めて乾杯し直す。



「言ってなかったけど、いつジジイになるかなるかと待ち詫びていた」と父。

「娘が三人もいるのに、なかなか孫が産まれないもんねぇ」と母。

「オレの予定では45歳くらいまでにはお爺さんになっているはずだったのに。まあ還暦前にジジイになれたから良しとするか」



 そんなこんなでご飯が終わり、エコーの動画を見せる。

「へえ、今はすごいのね」と母は関心し、父は「初めて見る」と食い入るように眺めていた。




 それから恒例の家族麻雀をして、深夜就寝。

 元私の部屋で、夫と布団にくるまる。


「ほらね、オレの言ったとおりお義父さん喜んでたでしょ」と夫が満面の笑み。夫は父と気が合うので、父の考えることがわかるといつも言っている。


 夫も私も、お互いがお互いの両親を好きなので、変な気を使わずに済むのは有難い。



 とりあえず、親孝行ができたようだ。


 ただ自分の両親なので、うまく言えないけどちょっと複雑な感じがした。


「K(妹)もびっくりするんじゃない?」と夫が笑った。

 明日は初詣に行き、妹を空港に迎えに行って、タイミングを見計らって驚かせようと思った。


 ちょっと楽しみかもしれないなと思った。
















































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