自己チューなアラサー転勤族主婦の妊娠日記
1月2日(水)

 帰省しても早朝5時30分に起きてパソコンに向かおうと、ノートパソコンを持ってきたけれど、起きたら8時を過ぎていた。

 部屋のストーブを5時にセットしていたため、消えてから数時間が経過している。部屋の中なのに気温はマイナス。布団から出ていた顔がものすごく冷たくなっていた。

 もし布団がなければ確実に凍死している。やはり東北の冬は侮れない。


 今日も頭が痛い。一体どうしたのだろう。



 眠っている夫を残し、二階の部屋から居間に降りると、父はストーブの前であぐらをかいて新聞を読み、母は台所で朝ごはんの準備をしていた。

 テーブルに乗っていたリンゴをつまみ食いしながら、久しぶりの懐かしい光景を楽しんだ。


 夫も揃い、朝ごはん。お雑煮と煮物と黒豆と茶碗蒸しと卵焼き。それから赤カブの漬物。

 漬物以外はおふくろの味。母は料理や裁縫が得意だ。実母ながら尊敬する。



 意外にも漬物が美味しかったので、その旨を伝えると「道の駅で買ったんだ。初詣の後で行くか?」と父が提案。その提案に乗る。


 初詣は三吉神社。車で小一時間かかる。頭痛がするので車内ではまた眠った。

 到着。ずらりと横並びの列に、父と母、私と夫の二手に別れてお参りをした。



 恒例のおみくじを引く。私も夫も小吉。あまり良いことが書かれていなかったので、すぐに木に結びつけた。


 父と母の姿が見つからず探していると、お守り売り場からこちらへ歩いて来るのが見えた。

 父が手にしているのは、家内安全の木の御札。ニコニコ顔の母が手にしているのは……



 嫌な予感は的中。「はい」と手渡されたのは安産祈願のお守りだった。


 友人Sと京都に出かける前「安産祈願しよう」との提案を断った過去を思い出す。

 でもまあ、一個くらいあってもいいか。ありがたく頂戴した。

 つわりもかなり楽になり、少しずつだけど妊娠出産について受け留められるようになってきた気がする。自分の心の微妙な変化を感じた。



 道の駅で気に入った漬物を買ってもらい、妹を迎えに秋田空港へ向かった。


 真冬にサンダル姿の妹が大きな荷物を抱えて現れる。サンダルから覗く足は、沢山の虫刺されで赤く腫れていた。

 苦笑しながら迎え入れる。久々の再会だけど、変わらないなぁと思った。妹は、私の中でいつまでもダラダラした大学生のイメージがある。

 それなのに、もう立派な社会人でアラサーなのだった。時の流れを急激に感じる。




 家に帰る車内。頭痛で体調不良の私を「大丈夫? 頭痛薬飲んだ?」と妹が心配した。

「肩こりからくる頭痛だから、葛根湯飲んだ」とのらりと会話する。御飯のときに驚かせようと考えているから、車の中では内緒にしておきたい。



 なのに!!!!!!!!!!



 母が「M(私)がなんか報告あるみたいよ」と本当に、本当に、本当に余計な一言を言った。


 はあ????

 なんで?!


「お母さんって、どうしていつもそうやって……まあいいや。もう頭痛いし寝る」


 あまりの空気の読めなさにかなりイラっとする。だけど、夫もいるし激怒するわけにも行かずふて寝するしかなかった。


 父と夫は、「仕方ないな」という感じで苦笑していた。


 家についてすぐ「お腹が痛いからトイレにいく」と言い、夫に「K(妹)に話してていいよ。どうせもう隠せないし」と投げやりに告げた。


 イライラが本当に収まらない。

 トイレで悶々とする。

 だけど夫もいるし、正月からあまり雰囲気を悪くしたくないし。

 母も歳なのだ。昔からそういう性格だけど。


 でも、私たちのために沢山の料理を用意してくれている。



「‥‥‥‥‥‥」



 どうにか怒りを納めてトイレから出る。
「とりあえず言っておいたよ」と夫。

「めでたいねぇ」と妹。

「まあね」と私。


 母には半笑いで「あんまり余計なことをベラベラ喋らないようにね」と釘を刺し、終わりにした。



 夕食になり、妹のタイの話を聞いて家族麻雀をして、寝る時間。



 夫と部屋に戻り「すごくイライラした!」と不満をぶつける。

「まあまあ」と苦笑いの夫。「K(妹)の反応はどうだった?」





「まあ、あの一言でそうじゃないかなと思ったって、言ってた」




「やっぱりね、あれじゃ分かるに決まってるもん」

「まあまあ」




 夫がいてくれて良かったと思った。

 そうでなければ絶対に私は怒りを抑えられなかっただろうと思う。




 里帰り中の数ヶ月間は、当たり前だけど夫はいない。














 不安だ。





























































 








 
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