自己チューなアラサー転勤族主婦の妊娠日記
1月8日(火)

 なんとなく夫のお母さんにメールする。

 内容も特にないので、年末年始のお礼と、買ってもらったボディシャンプーがとても良い香りだったこと、私も夫も元気なことを伝え、青森の皆さんも風邪をひかないよう気をつけてください。と添えた。



 それからしばらくして、電話が鳴った。


 夫のお母さんからだった。




「Mさん、メールありがとう!元気~?」と明るい声。まだ別れてから数日しか経っていないのに、とても懐かしい気がした。


「青森のおばあちゃん方もすっごく元気よ~。それでね、妊娠のこと言っちゃった。ごめんね」

 夫は確か「まだ安定期に入ったばっかりだしどうなるか分からないから、しばらくはおばあちゃん達にも黙ってて」と言っていた気がするけど。


 苦笑する。うちの両親もそうだったけれど、両家の両親にとって、隠しておけないほど嬉しい出来事だったのだろう。


「全然大丈夫ですよ。どんな反応でした?」「うん!長生きしなきゃってすっごく喜んで、背筋もピンとなって、元気になった」「良かったです」


 とにかく、周囲の人々から祝福されている。子供にとってはとてもいいことに違いなかった。






「それでさ。M(私)さんって、真珠のネックレスは持っている?」

 ??


「この間、たまたま新聞の雑誌見てたら、なんだかMさんの生年月日は今年、厄年なんだって」



「ああ、はい。そうなんですよ~」





「でね。よく冠婚葬祭とかで女の人が使うような、首周り全部が真珠でできてあるやつあるじゃない? そういうのネックレスでね、なんだか最初に神社の方で厄除けをしてくれるってのがあるらしいの。で、それのピアスとかイヤリングもあるんだけど、もし真珠のネックレス持ってないなら、どうせだったらネックレスの方がいいかな~と思って」


 昨年の誕生日、夫から真ん中にパールが一つついて、チェーンに小さなピンクパールが散りばめられたネックレスを買ってもらっていた。

 あれもとても高かった。

 さすがに真珠のネックレスみたいな高価なものを買ってもらうのは気が引ける。


「実は去年の誕生日に、Y(夫)から真珠のネックレス買ってもらったんです。なので、それに合わせるように、真珠のイヤリング、お願いしちゃおうかな」


「そうだったんだ~。うん。でもそのネックレスって首周り全部真珠?」「いえ、真ん中だけのカジュアルなものです」


「なら、やっぱりネックレス買ってあげる。ちょっとというか、ずいぶん気が早いかもしれないけど、これから子供が幼稚園に上がったりしたときにも使えるし、それ以外でも、洋服に合わせて使い分けられるから、一つあると便利だし。それにMさん、誕生石も真珠だよね」










「じゃあ、甘えちゃってもいいですか?」「いいよ~。後で送るね」




 結局、ご好意を素直に受け取ることにした。







 夫が仕事から帰宅し、電話のいきさつを話す。



「厄除けネックレスって」と爆笑していた。






 普通、(これは私の勝手な想像だけど)妊娠したというと、お姑さんは、ベビー用品や身体を温めて赤ちゃんを守る様な品々をくれるのだろうと思っていた。

 それはそれで、とても有難いことだけど。



 でも、真珠のネックレスは(もちろん安産の厄除けもあると思うし、気の早い孫の参観日のためでもあるけれど)嫁の私が身につけるものだ。




 そういう、私個人に向けられた気遣いがとても嬉しい。


 こんな風に大切に思われると、頑張って出産しようと前向きに(ネガティブな性格なので持続が難しいけれど)なる。





 今週の木曜日、私の通っている産院でマタニティヨーガが開催される。



 前向きついでに、予約をしようと思った。






























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