愛しの黒ライオン




「牡丹ちゃん、何か歌わないの?」

風斗さんは香織さんを挟みながら声をかけて来た。カラオケは嫌いじゃないけど、どちらかと言うと聞く方が得かもしれない。


昔、友達に言われた事があるの『歌わないのなら、どうしてカラオケが好きなの』って。


歌を歌うとか、歌わないとかそんな事は、どうでもよかった。カラオケに来て皆と盛り上がる場の雰囲気が好きなんだ。


「あ、私は、いいです...どうぞ歌ってください」


< 114 / 510 >

この作品をシェア

pagetop