愛しの黒ライオン

漆黒の獣。



ぼっとしたまま、今日も同じ場所に座り同じ空を見ていた。

そして夜空から視線を人波に逸らし追うように見つめる。


次の日も
次の日も...


膝を抱えたまま煌びやかなネオンの光に指を指す。


居ない...

やっぱり、ここで逢ったあの人は居ないんだ漆黒の獣。


あの人に会った、その日の夜、家に帰り部屋に入ってベッドにダイブをすると天井を見つめ、ため息を吐いた。


1時間前に起きた出来事は、ほんの数分前のように感じた。


名前は?





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