愛しの黒ライオン



「本当に、いいです...獅子さんに、よろしく伝えてください」


私を止める風斗さんの言葉も聞かずカラオケBOXを後にすると駅の方へと一目散に走った。


獅子さんに会えば泣いちゃう。


優しい獅子さんの事だから、きっと何かを言ってくれる...

だけど...その優しさは、私への優しさじゃなくて可哀そうな泣いている子への優しさなんだ。

その優しさが欲しくて獅子さんに会いたかった。


けど...私は

私と言う人間に対する獅子さんの優しさが欲しいんだ。そんなのムリに決まってるよね...。


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