愛しの黒ライオン
「そ、それは...」
「家までどれくらい時間かかる」
「30分くらい...」
「そっか...それなら、座ろう」
獅子さんは、そう言ってから私の手を引っ張ると一緒に座った――...。
カタンカタンとレールの音だけが耳の奥に入り込んでくる。
・・・目の前が真っ白。
軽くため息を吐き獅子さんの横顔をチラリ見つめると電車の窓を見つめ頬杖を付き片足は私の反対の方へ向け
知らない顔をしているようだけど私の...手を握ってる。
その手から温かい気持ちが伝わってくるようで胸の辺りが、こそばゆかった。