愛しの黒ライオン



「あ...」
「姉ちゃん又会ったな」


最悪だ、この間腕を掴んだ男の人


どうして気づかなかったの?何も考えず、目の前を通ったから...


「何してるんだよ、男でも探してるんだったら俺達と来いよ」


私の前に立ち、タバコをふかしながら見つめる。


気持ち悪い……


足を一歩下げ走ろうとした瞬間手に持っていた鞄を取られた。


「返して」
「返して欲しけりゃ~捕まえてみろよ」


2人組の男の人は目の前で走り出し路地裏へ向かう。


鞄なんてどうでも良かった。


財布の中身だって大して入っていない。だけど財布の中に入っている大切な物だけは返して。



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