愛しの黒ライオン



男達は、鞄から財布を抜き取ると、そのまま表に歩いて行く。私は、震える足に力をいれ、男に向かって叫んだ。


「ばかやろう、女に相手されないのはお前の方だろ!」


本当は、そんな事を言うつもりも無かった。だけど財布を持っていかれると困るんだ。


言い放った言葉に2人の男は足を止めると向きを変え眉間にシワを寄せ向かってくる。


怖い。


だけど怖いだけで大切な物を失いたくない。


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