愛しの黒ライオン
「気にしなくてもいいよ、アイツって褒められたり、お礼を言われると顔真っ赤になって、示しつかなくなるから背中を見せてるんだ」
風斗さんは、ニカっと笑う。
獅子さんと風斗さんは、まるでコインの裏と表。
「それより、どうして、あんな路地裏に居たの?」
それは...
チラリ獅子さんを見つめてから風斗さんに視線を逸らした。
「風斗、見れば分るだろ、ガキが色気づいて何も分らない夜の街をうろちょろしてるから、あんな目に遇(あ)うんだ」