愛しの黒ライオン




「っ痛...お前な...」

獅子さんの目が怖い。


「離して、離してください、もう2度来ないから」

「あ~上等だ、2度と来るな」


離れた手をくっと握り締め獅子さんが持っているキャリーケースを奪った。


「もう来ないから」


キャリーケースを手に持つと勝手に出てくる涙を拭きながら獅子さんを背にして駅の方へ歩いていった――...。






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