愛しの黒ライオン




「牡丹、退け」


動けない私は、横からカラダを手で押され倒れた。


「おい...刃物はそんな事に使うもんじゃない」


獅子さんは、そう言って懐に刃物がすっと入るのを避けると刃物を持っている人の手首をパっと掴み捻ると相手の腕を後ろに回し押さえ込んだ。


「牡丹、大丈夫か?」

「...大丈夫、そ、それより、叔父さんが?」

「俺は、大丈夫だから、叔父さんを見てやれ」




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