愛しの黒ライオン


取り合えず、獅子さんを家の外まで見送ろう。


部屋から出て階段を下り獅子さんを追いかけると獅子さんの足が止まった。


「飯でも食いに行くか?」
「はい?」
「だから飯食いに行くぞ」


背中を向けていた獅子さんは、私の方を見つめ口の端を持ち上げた。


「え、あ、う、うん、ちょと待って、鞄取って来るから」


「先に、車に乗ってるぞ」


獅子さんは、そう言うと階段を下りて行った。




< 321 / 510 >

この作品をシェア

pagetop