愛しの黒ライオン
バックミラーに映る獅子さんの視線をそらし大人しく助手席に座り、シートベルトをするとアクセルが踏まれ車が走り出した――...。
「牡丹、何が食べたい?」
エキゾチックなちょっと変わったレストラン。
大理石のような丸いテーブルの前に座り向かいには、ちょっと不釣合いのように見える獅子さん。
前に座っている獅子さんは、メニューを私の前に出しゆっくり早く食べる物を決めろよ的な顔をして見つめていた。