愛しの黒ライオン



獅子さんも沙耶さんのスキンシップを嫌うような仕草をしていなかったのは、そういう関係だったから。


それならキスなんてしてほしかった。期待させる言葉なんて、もっと要らないよ。





「牡丹ちゃん、帰ってきてから喋らないけど、どうしたの?」


キッチンに戻り、椅子に座って目の前にある料理を箸で突いていると風斗さんが声をかけて来た。


「別に...」
「獅子は?」



< 378 / 510 >

この作品をシェア

pagetop