愛しの黒ライオン
「来ないでよ!」
必然のようにつかんだ枕を獅子さんに投げた。
「ッタク...何をそんなに怒ってるんだ?」
そんなに私に言わせたいの?
「さ、沙耶さんが...」
「沙耶が?」
獅子さんは私との距離を縮め、前に進むたびベッドが徐々に沈む。
「沙耶がの続きはどうしたんだ?」
言えないよ、恥ずかしくて言えない。そんな簡単なら今頃獅子さんに告白してる。
熱くなった顔を下に向け息を吐くと空気を吸い込み正面に居る獅子さんに視線を向けようと思ったら
50㌢以上離れていたはずの獅子さんが目の前に座っていた。
恥ずかしさと、もどかしさが重なり獅子さんから遠ざかろうとベッドから飛び降りる。