愛しの黒ライオン
「悪い悪い、いやな、そんな事で怒っていたなんて、思ってもいなかった」
そんな事?そんな事じゃない、私にしたら重大なの!
「で、お前はどっちの話を信じる?俺がそうじゃないって言っても、信じないんだろ?」
っう...
「それは...」
「目に映るものや聞こえる物全てが正しいとは限らない...」
下に向けていた顔を獅子さんに向ける。
獅子さんの瞳は、黒くて黒曜石のようにキラキラとしていた。
「牡丹...」
触れていた指先が、もう一度頬に触れた。
「お前...妬いてたって事だよな?」
「そ、そんな事無いです。」
はぁっと我に返り獅子さんから視線を逸らし