愛しの黒ライオン



「虎に伝えといて、私帰ったって」


どうして私が?


「気に食わそうな顔してるわね、いいわよ別に言わなくても」


沙耶さんはスマホを耳にあて、そのまま店を出て行ってしまった。


はぁぁ...


凧の糸が切れたように緊張していた気持ちもプツリと切れ大きなため息を吐いた。


なんだか沙耶さんって落ち着きの無い人。


でも獅子さんに沙耶さんの事を聞いた時《言った所でお前は信じるか?》って...


どうして獅子さんは、教えてくれなかったの?


テーブルの上にあるお茶を飲みゆっくり息を吐いた。

< 443 / 510 >

この作品をシェア

pagetop