愛しの黒ライオン



「...昔の獅子さんの話かな?」


「そっか昔の話しか...牡丹すまんもう一度、白い薔薇を取ってくれ」


もう一度、バケツの中にある白い薔薇を取り、渡そうと茎の部分をくっとつかんだ瞬間


「っ痛...」
「どうしたんだ?」


アレジメントを作っている獅子さんは手を止め私の方をチラリ見つめた。


「大丈夫か?見せてみろ」

「大丈夫、薔薇の棘が刺さったみたい」

「かしてみろ」



< 453 / 510 >

この作品をシェア

pagetop