愛しの黒ライオン



獅子さんは、棘が刺さった場所を見つめ「俺の部屋に来い、棘抜きがあるから」そう言って


私の腕をつかむとブリリアントから自分の部屋に連れて行きベッドの上に座らされると


ベッド脇にあるタンスの上から救急箱を取り中からピンセットを取り出した。


「指見せてみろ」


血で滲んでいる指を目の前に出すと獅子さんは膝を落とし目線が丁度私の顔辺りにきた。


「悪かったな...ちゃんと棘を取ったつもりだったんだけどな」



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