愛しの黒ライオン



「ちょ、ちょっと、あんたはどうするのよ?」


「もうちょっと進めば表に出ます。だから早く誰かを連れてきてください」


沙耶さんの無事を確認すると目の前に来た人に傘を放り気を自分に向かせ走り出した。


足には自信がある。あと4メートルも走れば表に出て誰かに気付いてもらえる。


一気に走り出しビルの角が目に飛び込んで来る辺り、もう少しあと5歩くらいだ。


そんな時だった。



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