愛しの黒ライオン



後ろに振り向くと沙耶さんが警察の人に肩を持たれながら立っていた。


「沙耶さん...」
「ほんとバカなんだから...」


沙耶さんは、ため息を吐くと私に背を向け手を振って警察の人と表の方に歩いて行った。


「牡丹、歩けるか?」


沙耶さんが見えなくなるまで見つめていると獅子さんが声をかけて来た。


「あ、はい、大丈夫です」


目の前には、長くて細くて綺麗な大きな手が出され




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