愛しの黒ライオン



今、牡丹って言ったの?

「わ、私?」

「お前じゃなかったら、誰に言うんだ?俺は頭痛い子か?」


「...その...だって...」

急に名前で呼ぶから何だか胸の辺りが、こそばゆくて...

「お前に言ったんだよ、牡丹」

もう一度、獅子さんは、そう言うと私の右頬を軽く抓った。

「っ痛...は、離してください...」
「嫌だね...」
「風斗さん...」



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