結婚白書Ⅱ 【恋する理由】
3人で歩いて帰る
途中 玲子先生のマンションに彼女を送り届け
その後は工藤君と二人 何となく寄り添うように歩いた
「大丈夫?フラフラしてるよ 円華さん 手を貸して」
断るまもなく手を握られた
大きくて 安心できる手
毎日この手に頼ってきた
親密でない男性と手をつないで歩いているのに 決してイヤじゃない
「俺さ 円華さんの手って好きだな」
工藤君 突然何を言い出すの?
「俺 変なこと言いました?だって 円華さんの手って 華奢で
指が細くて すっごくキレイで
こんな手の人 俺 好きなんです ホント ウソじゃありませんよ」
真顔でこっちを向いて 彼がそう言った
ウソだなんて言ってないけど ここで言われても 私どう反応して良いのよ
ヤダ 顔がさらに赤くなってきたじゃないの
「円華さん また照れてるの?可愛いなぁ はは・・・
そう言うところが好きなんだよな」
えぇ~~~っ 好きって 好きって
私のこと?
「おっ その顔は信じてないって顔だな じゃあ 信じてもらいましょう」
それは突然のことだった
つないだ手を引き寄せられた
彼の右手が私の首筋を支える
もう片方の手は腰へ・・・
静かな 静かな 深い口づけだった