本能で恋を

…愛歌



―――――――

俺の名前は、牧野 葉月。
高校2年。




ある日、リビングで母親が写真を見ていたのが始まり……








「何それ?家の写真じゃないじゃん」



母親の向かいに座って、写真を見れば、それは知らない家族の写真だった。



「これね、ほら母さんたちの友達の桜木さん家の写真」


『桜木さん』とは、両親が高校の時から仲良くしている夫婦だ。


家の親と年が変わらなそうな2人に、もう1人女の子が写っている。

多分、2人の娘だろう。


清楚そうで、無表情に立ったそいつ。



結構可愛い顔してるのに、笑わないなんて勿体ないなと感じた…
何だか人形みたい。これが動くのを見てみたい。


そんな風にジッと女の子を見ていたのに気付いたのか、母親は「真ん中に居るのは、娘の愛歌ちゃんね。葉月と同じ年だよ。昔はさ~自分たちの子ども同士を結婚させたいって話してたんだよ~」
と、いつもの高いテンションで話していた。


 
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