本能で恋を
だから、感情のままに…本能のままに…
自分の心のままに追い掛けよう。
時間が掛かっても絶対捕まえる。
愛歌の不機嫌な顔も…怒った顔も…悲しい顔も…嬉しい顔も…照れた顔も…
全部が見れた時。俺はどれだけ満たされるのだろうか…………
「愛歌」
俺の呼び掛けに愛歌は「何?」と反応を示す。
少し冷めた音程だけど、それが愛歌。
「ちょっとこっち来い」
そんな命令口調で言えば、不機嫌な顔をするが、それでも目の前に立つ彼女が愛しい…
上を見上げて俺を見る愛歌の肩に手を乗せて。
ぐっと顔を近づける……
柔らかい唇と唇が合わさり、「チュッ」とリップ音を立てて離れた。
本当はもっともっとしたいけど、
今日はこれで我慢。
愛歌の…不機嫌な顔から、照れた顔になるのを見たかったから……
ああ……なんだか凄く……
「好きだ」
心の奥から出てきた言葉だった……
―――――