本能で恋を
会う…
お見合い当日。
女子高生の様にウキウキしている母親。
「牧野に、お見合いなんて了承しなければ良かった…」と今更後悔している父親。
いつも通りクールな私。
父親の車で来たのは、全席個室の和風料理店だった。
こんな立派で品のあるお店なんて来た事が無いので、個室に入って腰を下ろしても、落ち着かずにキョロキョロしてしまう。
『お見合い』なんて言っても親の友人だし、親も私も服装はラフな物だ。
それでもキッチリ正座をしてしまうのは、建物の品の良さだろう。
座って暫くすると扉が開いた。
「桜木、先着いてたんだな~」
そんなフレンドリーな言葉と共に入って来たのは、以前チラッと見た事がある牧野さん(旦那)、
その後から奥さんが入って、最後に男の子が入って来た。