本能で恋を
パッと手を話して振り返れば、校舎から走ってきたのは……
「修?」
そう呼んだ瞬間に葉月君がピクッと反応した気がした。
「帰るところごめん!これ先生から、記入して明日提出だって!」
一枚のプリントを手渡されて、書かれた内容を見れば、体育祭関連の内容だった。私が今カバンに入れている資料が無いと記入できないものだ。
「ありがとう…」
私がお礼を言えば、「良いって!じゃあな!」と笑顔で校舎へ戻っていった。
それを急いでカバンに締まって、待たせていた葉月君を見れば………
彼は、とても不機嫌だった………
この短時間で、コイツに何があったのだろうか……
「葉月君?」と声を掛ければ、
私の右手を繋いで、グッと引き寄せながら歩き始めた。
手のひらから葉月君の体温が伝わって、そこに心臓が付いて脈を打ってるように感じた。
しかし、いつもみたいにに不機嫌が直らずそのままの葉月君に戸惑う。