本能で恋を



パッと手を話して振り返れば、校舎から走ってきたのは……


「修?」


そう呼んだ瞬間に葉月君がピクッと反応した気がした。




「帰るところごめん!これ先生から、記入して明日提出だって!」


一枚のプリントを手渡されて、書かれた内容を見れば、体育祭関連の内容だった。私が今カバンに入れている資料が無いと記入できないものだ。



「ありがとう…」


私がお礼を言えば、「良いって!じゃあな!」と笑顔で校舎へ戻っていった。



それを急いでカバンに締まって、待たせていた葉月君を見れば………



彼は、とても不機嫌だった………



この短時間で、コイツに何があったのだろうか……


「葉月君?」と声を掛ければ、
私の右手を繋いで、グッと引き寄せながら歩き始めた。



手のひらから葉月君の体温が伝わって、そこに心臓が付いて脈を打ってるように感じた。



しかし、いつもみたいにに不機嫌が直らずそのままの葉月君に戸惑う。




 
< 52 / 59 >

この作品をシェア

pagetop