本能で恋を
「……嫉妬…?」
葉月君の家に着いて、葉月君の部屋でさっきの不機嫌の原因を話した葉月君。
「だって、俺の事は『葉月君』なのに、アイツ呼び捨てで呼んでるし……ああやって他の男と仲良くしているの始めてみたから、すっげーイライラした」
横に座っている葉月君は、私にピッタリ肩をくつけて、私の右手を自分の方に引き寄せて遊びながら言う。
平然を装ってる様に見えるが、私はさっきから右肩と右手に神経が集中して、ドキドキしている。
ドキドキしているのに、葉月君に触れている事が嬉しくて離れたくないから矛盾している。
…………まあ、つまり葉月君は………
「葉月…」
私が葉月を呼ぶ。
「っ…」
葉月が反応するが、返事をしないので、
「葉月?」
とまた呼ぶ。
すると、少し拗ねた顔の葉月がこちらを見て、
「愛歌の意地悪…」
と、子どもじみたセリフを言う。