本能で恋を




意地悪とは何だ…意地悪とは…

そんな思いから葉月を見つめていると、



「愛歌を閉じ込めておければ良いのにな。そうすればこんなに心が疲れない…」



「馬鹿言うな…それを世では『監禁』と言うんだ…」

眉を寄せて言う私に、


「なら、『愛歌は俺の』ってマーキングしなきゃだな」




マーキングって…………


『犬かよ!』とツッコミを入れようとすると、

右側の葉月の身体が近付く。

葉月が屈んで、座っている私を覆い被さるように抱きしめた。


私の背にはベッドがあるので動けない状態だ。




すると、葉月の顔が首に落ち、
うなじに柔らかい感触がする。


それは葉月の唇で、チュッとキスをしたかと思うと、今度は強く唇を付けて、そこにチクリと痛みが走る。

「…いっ!」


そのチクリが終わると、ぺろっと舌で舐めた感触があり、私はピクッと身体を震わせた。



 
< 56 / 59 >

この作品をシェア

pagetop