本能で恋を
意地悪とは何だ…意地悪とは…
そんな思いから葉月を見つめていると、
「愛歌を閉じ込めておければ良いのにな。そうすればこんなに心が疲れない…」
「馬鹿言うな…それを世では『監禁』と言うんだ…」
眉を寄せて言う私に、
「なら、『愛歌は俺の』ってマーキングしなきゃだな」
マーキングって…………
『犬かよ!』とツッコミを入れようとすると、
右側の葉月の身体が近付く。
葉月が屈んで、座っている私を覆い被さるように抱きしめた。
私の背にはベッドがあるので動けない状態だ。
すると、葉月の顔が首に落ち、
うなじに柔らかい感触がする。
それは葉月の唇で、チュッとキスをしたかと思うと、今度は強く唇を付けて、そこにチクリと痛みが走る。
「…いっ!」
そのチクリが終わると、ぺろっと舌で舐めた感触があり、私はピクッと身体を震わせた。